洋風の綺麗な建物の中に入ると、児童文学が置いてある棚へと向かう。
なんでもあるわけではないけれど、うちの学校には日本や海外の名作と言われているような絵本や児童書がいくつか置いてある。
読むために……、というよりは、生徒たちが資料として使うためのものだ。
海外の児童文学の本棚の前に行くと、著者名「W」で目的の本を探す。
一冊ずつ、本のタイトルと著者名を確認しながら右から左にゆっくりと視線を動かしていくと……。
「あった……」
Witch という作者の『孤独な魔女の物語』
私はそれを本棚から取り出した。
薄めの本だけど、装丁は豪華だ。いかにも洋書って感じの青い革張りで、表紙にはタイトルと月が描かれている。
この本の内容が、今朝ニュースでやっていた事件のモチーフに……?
私は本を開くと、『孤独な魔女の物語』を読んでみた。
物語のあらすじは、こうだ。