「……き、づきくん……。好き……」

 息をつぐ合間にささやいた私の唇に、

「おれもです……」

 稀月くんの熱い吐息がかかる。そのまま私の唇を塞いだ稀月くんが、キスしたまま私を抱き上げた。

 ちゅっと、ついばむみたいなキスをしながら、稀月くんが私をベッドに連れて行く。

 優しくおろされたあと、ゆっくり背中から押し倒されて、心臓がバクバク鳴った。

 真上から見つめてくる稀月くんの琥珀色の瞳がとても綺麗で。彼の目を見つめたまま、金縛りにあったみたいに動けない。

「瑠璃、力抜いて」

 稀月くんが、甘く優しい声でそう言って、私にキスをする。

「んっ、……」

 優しく髪を撫でられながら、稀月くんの唇の熱を受け入れているうちに、私の身体の緊張は徐々に解けていく。

 私の力が抜けると、稀月くんの手がそっと確かめるように私の身体に触れていった。

 お互いの肌の熱が重なって、稀月くんが指を絡めて繋いだ手をぎゅっと握りしめる。

「もう、瑠璃の心も体もおれだけのものだから」

 稀月くんの言葉に、胸が甘い痛みに締め付けられる。

 私の耳にかかる稀月くんの掠れた低い声が、甘い吐息が、心も身体も蕩けさせる。

「愛してます、おれの魔女」

 稀月くんの熱に包まれた私の目から、幸せな涙が一粒こぼれ落ちた。