各自に振り分けられたカード。
これが一体どういう意味をもたらすのか。
「ピエロはこれをよく考えて利用しろと言っていた。使うべき場面がきっとどこかにあるはずだ。失くさないよう注意しよう。特に橋本兄妹」
ぎろりと睨まれ、私は尻すぼみに返事をする。
一方お兄ちゃんは能天気に笑う。
「安心してくれ。アイテムカードなんてなくても祥のことだけは絶対に守るから。若松は自分の心配だけしていればいいよ」
「頼むからそろそろ建設的な会話をしてくれ…」
うなだれる若松先輩。
見かねた日下部くんが
「か、顔を上げてください…」と
その背中をさすった。



