「……ん?」
ぼんやりと意識が浮上する。
重たいまぶたを持ち上げれば、どこか見覚えのある景色が眼前に広がった。
「祥!気がついた?!」
すぐ近くで呼ばれ、それがお兄ちゃんの声だと判別するのに少し時間がかかった。
「お兄…ちゃん?」
「そうだよ…よかった目が覚めて」
ぎゅううと抱き込まれてはじめて、自分がお兄ちゃんの腕の中にいるのだと気づく。
ゆるり見渡せば
そこには若松先輩も日下部くんもいた。
「やっと起きたか。遅い」
「橋本さん…か、体は平気…?」
通常運転で厳しい若松先輩。
心配げに眉を下げる日下部くん。
あぁここはちゃんと現実なのだと脳みそが覚醒してくる。



