「お、おおおお兄ちゃん!」
「祥!無事でよかった!
怪我はない?心配したんだよ」
両頬に手を添えられ顔をのぞきこまれる。
チャームポイントの涙ぼくろが目に入り、本当にお兄ちゃんだと実感した。
「わぁぁぁお兄ちゃんんん!」
「よしよし怖かったね」
全身に溢れる安心感に涙がこぼれた。
「私は大丈夫だよ。
若松先輩に鼻血出させちゃったけど…」
「祥が無事なら若松の鼻血なんて小さな犠牲だよ…あぁよかった」
「お前らまとめてぶっ飛ばすぞ?」
橋本兄妹感動の再会にサブイボを立てながらキレる若松先輩。
ちなみにお兄ちゃんと若松先輩は学年は同じだがクラスは違う。
友人のように親しいわけでもなく、強いて言うなら私という共通の話題でたまに話すような間柄。
特段仲は悪くないようだけど、若松先輩はお兄ちゃんのシスコンぶりに毎回ドン引きしているのをよく見る。
「祥、もう少しよく見せてごらん?」
整った顔が近づく。
まつ毛の長いアーモンドアイ。
我が兄ながら綺麗な瞳をしているなぁと思う。
「ん、どこにも怪我は無いね。
俺のかわいい祥のまんまだ」
ホッとしたように目尻を下げるお兄ちゃん。
私は妹だから慣れてるけど、こんなの他の女の人がされたらひとたまりもないだろうな。
それくらい私のお兄ちゃんのルックスは完璧だ。



