「ううん気にしないで。こんな格好だし。
メイクもしてるから仕方ないよ」
白く塗られた自身の肌を指でつつく日下部くん。
派手な衣装を纏っている同士者がこんなふうに会話しているのは傍から見れば不思議な光景だろうか。
「橋本さん、午前中までだよね?」
「うん。やっと休めるよ~。お腹ぺこぺこ」
「そっか。僕も午後から自由なんだ。
よ、よければ一緒にまわらない?」
「え、いいの?」
仲の良い子とは全員見事にシフトがズレてしまっていたので、ひとりでどう楽しもうか悩んでいたところだったのだ。
「もちろんだよ。ずっと声をかけようと思っていたんだ」
「わぁぁうれしい!
すぐ着替えてくるから待っててね」
一瞬で舞い上がった私は急いで教室へ向かおうと体を反転させた。
刹那、「待って」と腕を掴まれる。



