◇Clown Act◇⇧





「祥!」





その時、生徒たちの群れの中から私を呼ぶ声がした。


視線を移せば
おとぎ話に出てくるような王子様がこちらに駆けてくる。


え、なになに?!キラキラしてる!



「ロマンス?!」


「アホか。お前の兄貴だろうが」


「え!お兄ちゃん?!」



若松先輩の言葉に驚いていれば、颯爽と現れた王子様にふんわりと抱きしめられる。


ほんのりと香る石けんの匂い。


大好きなお兄ちゃんの匂いだった。