「祥!」 その時、生徒たちの群れの中から私を呼ぶ声がした。 視線を移せば おとぎ話に出てくるような王子様がこちらに駆けてくる。 え、なになに?!キラキラしてる! 「ロマンス?!」 「アホか。お前の兄貴だろうが」 「え!お兄ちゃん?!」 若松先輩の言葉に驚いていれば、颯爽と現れた王子様にふんわりと抱きしめられる。 ほんのりと香る石けんの匂い。 大好きなお兄ちゃんの匂いだった。