『ボクの言葉を信じて
ここまで来てくれた
良い子のミンナ!
本当にアリガトウ☆』
朝礼台の上で深くお辞儀をするピエロ。
赤と青の色鮮やかな縦縞の衣装に、白塗りの肌。
ピエロ特有の真紅に歪む唇が、吹きさらしのグラウンドにただひとつある異物感を助長させていた。
私と若松先輩は息を飲みながらピエロの挙動を見守った。
『オープニングアクト!
ミンナは楽しめたカナ?
かけっこみたいですごく
楽しかったハズだよネ☆
そんな良い子のミンナには
ボクからプレゼントとして
素敵なモノを見せてあげるよ!』
プレゼントと聞いてざわつく生徒たち。
なんだか嫌な予感がして、ワンピースの裾を握りしめる。



