「は、橋本さんっ」




後ろから声をかけられ、くるりと振り返る。


ピエロがいた。





「っ!」


「橋本さん、僕だよ…日下部(くさかべ)」




控えめな声と、ひょろりとした体躯。



しっかりとした既視感に、引き攣った頬がゆるんだ。




「日下部くんか!ごめんっ…いつもと格好が違うから誰かと思っちゃった…」




すぐさま謝れば、日下部くんはピエロの顔でへにゃりと笑った。