◇Clown Act◇⇧










それから私たちは、急いで第一グラウンドへと向かった。




「見えたぞ!」




若松先輩の指さす先には生徒たちの塊。



そして朝礼台では、ピエロがくるくると踊っていた。



私たちの他にも、たくさんの生徒たちがゴールを目指して血眼になりながら走っている。





『残り10秒~!

サァみんなで数えよう!


10!9!8!』





群衆への距離は数十メートル。



ギリギリ間に合うかの瀬戸際だった。



まずい……!





「祥!!!」




声とともに手をぐいと引かれる。




その瞬間、速度が一気に上がった。




「わ、若松先輩……!」




大きな背中が眼前に現れ、私を導いた。




「絶対クリアするぞ!死んだら許さない!」




ぎゅうと手に力を込められ、胸が熱くなる。





『5!4!3!2!』





死のカウントダウン。



愉しげなピエロの笑い声。





負けてたまるか……!



若松先輩の手のひらを強く強く握り返した私は






『1───!!』








群衆の中に、勢いよく飛び込んだ。