『残り時間、3分~☆
ソロソロ本気で焦らないと
間に合わないヨ~?
さあさあ!
ピエロと一緒に行進ダ☆』
緊張を煽るような放送が流れる。
しかし心はどこか落ち着いていた。
「そういえば若松先輩」
「なんだ」
ずっと気になっていたことがあるのだ。
「どうして2年のフロアまで来たんですか?もとは多目的室にいたんですよね?それなら1階ですし、すぐ外へ出られたのに。わざわざそんな遠回りする必要って…」
「………」
「それに今気づいたんですけど、若松先輩が向いていた方向、私と反対ということは聞こえていたのって聖者の行進だったんですよね?つまりそれって、時空が歪むことなく普通に進めていたわけじゃないですか」
「………」
「先輩、私と会った時に"出られない"と言っていました。進めていたはずなのに、あえてこのエリアに留まっていた。なぜです?」
疑問を口にしてから、黙々と走り続ける横顔を見つめる。



