背を押され、足を踏みだせば、世界が変わったように景色が動いた。
教室の間隔が均等になり、窓から見えるものすべてが正しく入れ替わっていく。
ガラスに映るピエロ姿の私は不安と喜色が入り交じったように笑っていた。
「聖者の行進の聴こえるルートを進むかぎり時空の歪みも起きない。絶対にそうだ。少しでも天国と地獄が流れてきたらすぐに言え。引き返すぞ。いいな」
「はいっ」
現役陸上部と元陸上部。
お互いに走り専門で厳しいトレーニングに耐えてきたんだ。
どんなに走ろうと息は切れない。
速度を落とさず階段をおりていく。



