すると、若松先輩が何かに気づいたように表情を変えた。 「いや、まて、たしかに天国と地獄は流れていた。だが部分的にだ」 「部分的とは?」 私が問えば、若松先輩は必死に記憶を辿るように、こめかみに手を当てた。 「たしか…渡り廊下、中央階段らへんを走っていたときは天国と地獄だった気がする。そしてこの2年のエリアに入った瞬間…聖者の行進へと変わったんだ」 ぞくりと 恐怖ともつかない寒気が背筋に走った。