「───ふざけんじゃねぇぞ!!!!」
そんな怒号が私の意識を覚醒させた。
気づけば開いていた両目は驚くほど冴え切っている。
床に寝ているからか体がぎしりと軋んだ。
背後から聞こえてきた声のほうへ体をよじると、そこには懐かしさすら感じるグループ53のみんながいた。
だが感動の再会…とはいかない剣呑な空気が漂っていることは火を見るより明らかだった。
日下部くんとイース
お兄ちゃん、若松先輩にフィム
無事に帰ってきた組と途中棄権した組が綺麗に別れて対峙している構図。
中でもお兄ちゃんは物凄い剣幕で日下部くんとイースを睨みつけていた。
お兄ちゃんがあんな顔をする時は決まって私に関することで──
「あ、ピエロちゃん起きたんだ?オハヨ~」
誰よりも先に私の視線に気がついたのはイースだった。
あいかわらず衣装は真っ赤だけど顔はムカつくし元気そうでなにより。



