「ねぇ!なになに怖いんだけど!」 「なにって、ピエロちゃんの血なんだろ? そこらへんの水で洗い流してしまうなんてもったいないじゃないか」 「だからって舐めるの?! いや、た、食べる??」 「ものすごく可愛らしい味がしたよ。キミの隙だらけで甘い性格にぴったりな味だ」 「さりげなくディスるじゃん。 ほんとなんて趣味してんの…」 「んだよ…飼い主の全部が好きなんて当然だろ」 イースは吐き捨てるように言うとそのまま私の左手をすくいとった。 5本指が揃った、私の左手。