◇Clown Act◇⇧




「?…イース?」


「静かにして」



指先でやわらかく唇をふさがれる。


その手つきに驚いて声が引っ込んでいく。


イースは私の左手をてのひらで包むと


なにかをぼそりと唱えた。



──ボンッ



瞬間、欠損した指先が弾けた感覚がした。


なにをされたのか。


怖くて体が竦む。



「怖がらなくていいよ。ごめん、大丈夫。
痛いことはしないから」



私の怯えを察したのか、イースが優しい声で言った。


引き攣る私の頬をあやすように撫でる。



「よし、できた」



イースのてのひらが離される。


現れたものに驚愕した。



欠けてしまった私の3本指の根元に、新たな指が生えていたのだ。