「?…イース?」
「静かにして」
指先でやわらかく唇をふさがれる。
その手つきに驚いて声が引っ込んでいく。
イースは私の左手をてのひらで包むと
なにかをぼそりと唱えた。
──ボンッ
瞬間、欠損した指先が弾けた感覚がした。
なにをされたのか。
怖くて体が竦む。
「怖がらなくていいよ。ごめん、大丈夫。
痛いことはしないから」
私の怯えを察したのか、イースが優しい声で言った。
引き攣る私の頬をあやすように撫でる。
「よし、できた」
イースのてのひらが離される。
現れたものに驚愕した。
欠けてしまった私の3本指の根元に、新たな指が生えていたのだ。



