◇Clown Act◇⇧




「あんたには悪いが指は犠牲にさせてもらった。命までは奪らねぇから安心しな」



あたかも指ならいくら落としてもいいといったふうな言い分に、怒りを通り越して恐怖が湧いてくる。


この人はもう壊れてしまってるんだ。


大切なものを失いすぎて…


哀れみと絶望の渦中で硬直していると


視界の端の影がゆらりと動いたのを感じた。


オレンジ色のピエロが、一歩一歩を重たく踏みしめるように歩きはじめる。


その横顔は表情が抜け落ちていた。


ぞくりとする。



──ズッ、ズッ、ズッ



衣擦れにも近い音を立てながら、男子生徒と距離を詰めていくイース。


ひたりと足を止めると






剣の刃を、男子生徒に突き刺した。