『あと15分~☆
ミンナ、頑張って~!』
からかうようなカウントダウンが恐怖を煽った。
走りながら異変に気づきはじめる。
おかしい。
いつまでたっても2年生のエリアを抜けられない。
走れど走れど階段が現れないのだ。
「どうなってるの…?」
ぐわんぐわんと時空が歪められている感覚。
ここは3階。
外へ行くにはあと2階分の階段をおりて昇降口を出るしかないのに。
マンモス校だ、校舎は広い。
けどこんなに走ってたどり着けないほどではない。
いったん立ち止まって考える。
見上げれば、2-3のプレートが目に入った。
「なんで…?」
私がいたクラスは2-5。
そこからけっこうな距離を走ったはずだ。
それなのに、まだ2クラス分しか進めていないなんて。
意味が分からなくて頭を抱える。
その時、背後から「おい」と呼ばれた。



