「私はね、強欲な人間様ですから。恩着せがましいし変な思い上がりもするんですよ」 「なんだよ急に、気持ち悪いな」 「こんな性悪ピエロにも、温度のある血が流れているんだと知った。そんな、一瞬でも心を通わせられたような気がしたあの時間を、イースの体が私と同じように少しでも覚えていてくれたら──」 ピエロの左手を静かに握る。 抵抗する気がまったく見られない、素直な手。 「めちゃくちゃ嬉しいなって……。そう思ってこのカードを選んだ」 どうだ、呆れただろ。 と、♠のカードを見せびらかす。