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勝負はついた。
そばで見守っていてくれた日下部くんの
「やった!」という喜びの声が聞こえる。
手の内にある♠のカードを見つめながら、自分の胸に鼓動しているその音がとても落ち着いていることを感じていた。
やはり当たっていた。
私の選択は間違っていなかった。
今ようやく、本当の意味で自分の道を自分自身で掴み取れた気がして、どこからともなく生が湧いてくる。
「……どうして」
聞こえてきたか細い声に視線をやると
オレンジ色のピエロが大きく目を見開いていた。
信じられないとでも言いたいのか。
眉を寄せ、頬を引き攣らせ、ふるふると首を横に振っている。
「どうしてって…私が50%を当てたのがそんなに気に食わない?」
「ち、ちがう!キミは偶然で当てたんじゃないだろ?!」
「……」
「確信を持っていた。キミの手にはブレがなかった。気持ちが悪い。なんの駆け引きもなく、かといって勘じゃない…迷いのない手…。なんなんだよお前!やっぱり気持ち悪いぞ!」
間髪入れるひまがないほど勢い良く捲し立てられる。
私を拒絶するように人さし指を向けては何度もその口で気持ち悪いと連呼してくる。
自分の求めていた利害のない選択を本気でされるとは思っていなかったのだろう。
あきらかに動揺していた。
こちらに突き立てられる、震えを帯びたイースの指先。
それは、私が選んだ左側の手だった。



