イースの表情は動かない。
当たっているのか、外れているのか。
なに一つ読み取らせてくれないけど、どこか確信があった。
私は迷わない。
絶対にこのカードだ。
「…変更は、ないね?」
「うん」
最終確認とも取れる質問に深くうなずいた。
このカードの表を見たら、私たちの関係性…いや、人生までもが一転してしまう瞬間を迎えるのだ。
生唾を飲み、イースの動向をうかがう。
このピエロは勝つか負けるか、一体どちらを願っているのだろうか。
共に生きる
共に死ぬ
裏のない純粋な想いを私に望んでいることだけは確かな真実。
すると、私と対峙していたふたつの双眸がゆっくり閉じられる。
「分かった。
それでは、自身の目で確認してくれ」
滑らかに差し出されたそれを
そっと引き抜いた。
イースの手もとからカードが離れていく瞬間に垣間見えた、ほんの少し泣きそうな顔が胸にこびりつく。
「祥、その口で教えて。
キミが選んだカードは──?」
くるり
一枚のトランプカードを半転させる。
私の目に映ったそのマークは──
「♠(スペード)
私の勝ちだよ、イース」



