静々とした廊下に3人分の足音だけが響く。


どこを見てもカラフルな装飾が視界に入ってきて、あいかわらず異世界にいるような感覚が拭えない。


みんなにとって楽しいはずだった文化祭は、今や悪夢と化していた。


メンバーは私、日下部くん、イース。


たった3人。


誰がこんなトンチキ面子になると予想できただろうか。


なんだかんだ頼もしかったお兄ちゃんも、グループを引っ張ってくれていた若松先輩も、優しい味方であったフィムもいない。


私たちだけで頑張らないと。


もしなにかあったら今度こそは絶対に私が──