◇Clown Act◇⇧



「若松先輩が血だらけのとき
あなたはどう思ったの!」


「えー、めっちゃ血出てるなーとか?」


「最低最悪だ。アイテムカード持ってたなら言ってよ!すぐに手当て出来たのに!」


「いやいや、前回のゲームのこともう忘れたの?本来ピエロは人間を助けちゃいけない決まりなんだけどなァ。間接的な助言ならまだしも、傷治すとか直接的なのは御法度だろ。学べよ」


「そ、そうかもしれないけど…っ!」


「あとボクはキミたちの仲間でもトモダチでもなんでもない。助ける義理なんてないね。冷たく聞こえるかもしれないが、ボクはあくまでルールに則って判断しているだけだ。フィムや王様くんの下僕たちみたく人道的に見せかけた規則違反をしている方がおかしいんだよ」



バッサリと切り捨てられる。


私の要求は、イースたち敵側にとって『反故しろ』と言われているようなものなのだろう。


それに反論するのはなにも間違っていない。


だがそもそも論、理不尽に私たちの高校を襲ってきたのはピエロたちの方だ。


ルールなどと謳っているけど、厚かましいのは確実にそっちだし説教される筋合いもない。


なんだかイライラしてきた。


言い返したところでイースが
「はいそうですかすみません」と納得してくれる未来が見えないのがさらに腹立つ。