「待て!祥!」 大鳳会長の声が私を呼び止めた。 こちらに走ってきた王様に、無理やり何かを持たせられる。 「え、な、なんですか?」 両手に握らされたそれは♥のカードだった。 「ピエロは危険だ。 なにがあるか分からない。持っていけ」 「え、でも…」 「君に傷ついてほしくないと願うのは我儘か?」 切実な表情で言われてしまい言葉が詰まる。 注がれるまなざしが、鈍い私にも分かるほど好意に溢れている。 まずい、照れてしまう。 まさか天下の大鳳会長にこんな目を向けられる日が来るなんて思わなかった。