ふぅと息を整えて 私は、孤独な王様のもとへと歩み寄った。 「?……まだなにか用──」 彼の頬に手を添える。 私をとらえる大きな瞳が、さらに大きく見開かれた。 驚いて固まっているのか、抵抗はされない。 「手袋……汚れたままですみません」 「な、なんだ……なんのつもり……」 「あんなふうにサラッと傷つけてましたけど、絶対、痛かったはずなので」 若松先輩と同じ、左頬に残った大きな傷跡。 怖くないわけない。 痛くないわけない。 仲間ばかりで私は、大鳳会長の心配など一切しなかった。