「は、橋本さんっ」
日下部くんが室内に入ってくる。
心配そうに私のもとへ駆け寄ると、すぐに抱きしめてくれた。
ぽんぽんと背中を撫で、私のことを守るように前へ出る。
日下部くんのあとをのんきに歩いてきたイースは、それはそれは楽しそうに歯を見せながら顔をのぞきこんでくる。
あいかわらず腹立つ。
じっとり視線を向けてもわざとらしく無視を決めこんでくるイースが大鳳会長の前に立ちはだかった。
あまり意識したことのない、細身の背中。
「えーと、王様くん」
「大鳳だ」
「ほぼ一緒だろ気にすんなよ~?
いやぁキミおもしろかったね。立派立派」
褒めているようでまったく褒めていないイースの茶化し芸が始まった。
心にもない拍手を贈っている。
ほんとに、こいつは。



