教室内が一気に静まり返る。
クーピーを始末した大鳳会長は、ひとつ長い息を吐いたあと、私と若松先輩の方を向いた。
「……もっとも。一番許せなかったのは、レディを泣かせるほどの惨たらしいゲーム性に対してだが」
大鳳会長の声は、もうとっくに穏やかなものへと変わっていた。
「え、れ、レディって……私ですか……?」
「君以外に誰がいる」
「でも私……ブサイクですし……」
「?それとこれとは関係ないだろう。あとぼくは君のことをブサイクとなど一度も言っていないし、思ってもいない」
「ですが……」
「しつこいぞ。父からきつく教えられているんだ。レディを泣かせてはいけないと。無論ぼくも賛同している。だからこそ」
「……?」
「若松を憂いて、涙を流している君の姿は、ぼくの心に嫌な残り方をした」
大鳳会長が私の隣にドカリと乱暴にあぐらをかいた。
座るだけで迫力があるなんてすごい。
でもその雑な動作に、王様ではなく等身大の大鳳会長を感じた。



