◇Clown Act◇⇧



とにかく、嘘でも本当でも言われた通りにしたほうがいい気がした。



そして笑ってしまえばいいんだ。



なーんだ、ただのいたずらかって。



どくどくと速い心臓に震える呼吸。



唇の端が痙攣しそうになって必死に口を引き結ぶ。



おぼつかない足どりで教室を出れば、数分前まで文化祭を楽しんでいたであろう生徒たちが一様にスピーカーを見上げていた。




「なんださっきの…。てか音楽の放送は禁止だろ?運動会でも始まったのかよw」


「いたずらじゃねーか?
それより体育館行こうぜ」


「でもなんか普通じゃなかったよね?
私はグラウンドまで行ってみる」


「そうしよ、本当かもしれないしさ」




信じない者、信じて走りだす者。



反応はまさに十人十色だ。



混沌とする中、ポケットのスマホが鳴った。