「人間のもたらす
お涙頂戴劇はほんとーに
滑稽で笑えるねぇ」
ここまで傍観に徹していたクーピーが、私たちの前に躍り出た。
そしてゆったりとした拍手をしながら近づいてくる。
ゲームに挑んだふたりを見定めるように眺めてから
ぎょろり
大きな眼球を私に転じた。
な、なに…
わかりやすく肩を震わせてしまい、そんな怯えた私の様子がおもしろおかしいのか、クーピーは喉で小さく笑う。
「うるさくて、汚くて、醜い
なんてブサイクなピエロだろーね。
ジョーカーはどーしてこんなやつを
守ろうと思ったのか
理解ができないや」
心底バカにしたように見下ろされる。
だが、ついさっき大鳳会長に邪魔者と言われてしまったばかりの私の心には、なんの感情も湧いてこなかった。
自己肯定感が完全に削がれた今、クーピーの言葉すらその通りのように思えてしまう。
ピエロのメイクをしていてよかった。
口もとは勝手に笑ってくれているし
涙のペイントが代わりに泣いてくれるから。



