◇Clown Act◇⇧




「よし、傷は塞がっているな。安静にしていればどうということはないだろう」




若松先輩を救ってくれた王の背中を呆然と眺める。



目の前の敵と正々堂々戦い、ライバルだった若松先輩のことまで助けた。



おまけに、理不尽な目に遭っていたピエロたちのことも救っていただなんて。



人を見下しているだけの嫌味な王様かと思っていたのに。



なんなんだ、この人は。



安らかに眠っている若松先輩の横顔が目に入る。




その左頬には

一生消えない傷痕が刻まれていた。




喉が痛んで泣きそうになる。



だがそれをこらえて唇を噛んだ。




「貴様と揃いの傷をこさえることになるとは。世の中分からないものだな」




大鳳会長はどこか楽しげに言うと、無駄な所作なく立ち上がる。






その目には光が無かった。






「……っ?!」




ぞくりとして呼吸が止まる。



見て取れる彼の感情は、純度の高い怒りだった。