◇Clown Act◇⇧



「ひとつ、言っておこう」




若松先輩が手中のナイフを軽やかに回転させた。



ニッと



これからキズモノになる左側の唇を持ち上げる。




「今後、俺にできた傷の理由を問われた時、もしくは自分自身に問う時、必ずこう答えるさ」




ついにジョーカーは刃先を標的に向けた。






「愛するピエロを守るためにやった、と」


 



それは一瞬のことだった。

 

切れ長の目が私をとらえると



せつなそうに細められて









粘膜を抉る音が、この場に響いた。