◇Clown Act◇⇧






「祥」





若松先輩が目の前にいた。


一時中断してきたのだろうか、クーピーも大鳳会長も黙ってこちらを見ている。



「まったくお前ってやつは…
どこにいても手のかかる後輩だ」



ふんわり頬を包まれる。


真正面から見る、ニヒルな雰囲気の整った顔。


それでも私に触れる手はどこまでも優しかった。



「若松…先輩……」


「手がかかるが…俺はそんなお前が可愛くて仕方ないのかもな」



鼻同士をつんと合わせられる。



「お前は誰のピエロだ?」


「若松、先輩」


「ん、いいこだ。
お前は俺の大切なピエロだ」


「……」


「俺はな、俺のものに傷がつくのが一番嫌なんだ。わかるだろ?」


「わかりません…」


「今度はわるいこか?
ご主人様の言うことはちゃんときけ」


「せんぱい、やだ」


「やだじゃねーよ」



口を塞がれた。


熱く、深く


私を殺してしまいそうなほどの重たく強い、若松先輩に秘められていた想い。


唇を通して容赦なく注ぎこまれる。


じんわり心臓にナイフを刺されるみたいに。


死んでしまいそうだった。