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「わぁぁぁ
ふたりも同時にボクと
遊んでくれるなんて
うれしいな」
赤いピエロは、座っていた教卓からふわりと宙に浮いた。
若松先輩と大鳳会長がそれを驚いたように見上げる。
「ほう、道化とは空も飛べるのか」
「なわけねぇだろ。
こいつらがおかしいんだ」
ふたりの反応を眺めながら赤いピエロはふにゃりと笑って、宙で一回転。
「ボクの名前は "クーピー"
イタズラが大好きなピエロだよ」
クーピーは聞いていて眠くなるようなどこかヒーリング効果のあるゆったりとした口調をしていた。
みんなより動きが一歩遅いのんびり屋さんな子どもを彷彿とさせた。
だがそんな彼の手にはナイフが握られている。
やわらかい雰囲気にはかなり異質なものだった。
自己紹介を聞くに、やはりついさっき隣の教室から出る時の小さなイタズラは彼の仕業だったのだろう。
「キミたちは
イタズラ、すき?」
コテンと首を傾げるクーピー。
「法に反していないなら許容範囲だな」
「返答がズレてんだよ。俺は好きじゃねぇ」
ふたりは磁石のSとNみたいな返事をした。
大鳳会長はお兄ちゃんとはまた違ったアクの強さがある。
それでも堂々としているのは変わらなくて、この人ならどうにかするんじゃないかという気持ちが不思議と湧いた。
滲み出てくる恐怖心すらも拭い去ってしまうような佇まいだ。
「ふたりは、ボクと
トモダチになりたいの?」
「あぁ、ぜひとも」
「ふぅん。じゃあ
ボクと遊んでよ」
迷いなく答えた大鳳会長に、クーピーはもう一度くるんと回転する。
今回はいったい何がくるのか…



