「若松先輩…よくわかりましたね。先輩も大概アッチ側の思考なんじゃないですか」
「バカなことを言うな。時間のヒントを提示された時点でまずはなにか裏があると勘繰るだろ。お前は敵から送られてきた塩をほいほい舐めるのか?」
「う…それは…」
「だいたいな、敵の言葉をすべて信じるなんて浅はかすぎるんだよ。お前みたいに単純なやつの相手ばかりしていたから、俺たちも死ぬほどナメられたんだろうな」
500%私がアホなのが悪いのはわかってる…
でもあまりにもひどい言い様すぎてムキー!となりそうだった。
なにも言い返せないから黙ってるけど!
イース笑ってるけど!
「おバカなピエロちゃんは置いといて。問題はその超めちゃくちゃ極上に簡単なトリックじゃない」
「……」
「猛毒と分かったうえでそれを選んだ、イカれ王子くんのイレギュラー行動だ」
"分かったうえで"
その一言に背筋が冷たくなるものを感じた。
「わざと毒林檎を食べてシャルドを巻きこみながら倒れた時、どさくさに紛れてすり替えたんだよ。シャルドが持っていた安全な林檎と自分が食べた毒林檎を」
脳が強制的に焼き付けさせるみたいにゆっくりと流れたお兄ちゃんの倒れていくあの姿がよみがえってくる。
あの時に…林檎を?



