「ピエロちゃん」
「もうなんなの!
お喋りはいいからイースも探して…」
長い腕が私に巻きついた。
強く抱きしめられる。
オレンジの縦縞衣装から甘い柑橘系の匂いが香った。
「な、なに…ちょっとイース…?」
戸惑いながら顔を上げれば
蜂蜜色の瞳が私だけを映していた。
気持ち悪いと思う。
このピエロ、世界のすべてに興味が無さそうな風体をしているくせに、私を見つめる時だけはその瞳にしっかりと色が浮かぶのだ。
「イカれお兄ちゃん、助かってよかったね」
嘘みたいに優しい声で言われ
頬にキスをされる。
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