私たちは2階に上がり、1年生のエリアを進んでいた。
あの奇っ怪なぐにゃぐにゃ階段をのぼるのは本当に勇気がいるものだった。
勝手に動くから足もとが覚束なくて、いつ落ちるかと怯えながら1歩を踏みしめたのは言うまでもない。
そんな私を見てひどく愉快に笑っていたイースを絶対に許さない。
「文化祭だと思って学校にいたときはなんとも思わなかったが、こうして客観的に眺めるとなんだか不気味だな。異世界にいるみたいだ」
若松先輩がつぶやいた。
長い廊下に沿って配置された、クラスごとに雰囲気の違う教室。
食べ物屋さんもあればお化け屋敷もある。
壁や天井にはキラキラとした装飾が施され、風船だって浮いている。
たくさんのクレヨンが混ざったような
無邪気で無垢な、人の「楽しい」を無理やり凝縮させたみたいな空間。
こんなに賑やかな景色なのに、人はおらずシンとしている。
それはどこかテーマパークに一人取り残されたような気持ちにさせられた。



