◇Clown Act◇⇧



「お兄ちゃん……!」


「まだ目は覚めない。一度死んでいるからね。少し時間がかかるけど、もう平気だ。またお兄さんと一緒にいられるよ」


「フィム……ありがとう……っ」




瞬きなんて必要ないほど涙があふれて、フィムはそんな私を優しく抱きしめてくれた。



お兄ちゃんが助かったこと。



恐怖から開放されたこと。



とてつもない安堵に私の涙腺はどうにかなりそうだった。




「ピエロちゃん」




イースが私を呼ぶ。



ほら、と投げられたものをとっさに受け取った。



手のひらには、リング。




「そのイカれお兄ちゃんの大健闘だ。
きちんとはめておきな」




本来の姿が分からないほど赤く染まったリング。



シャルドは絶命していた。



お兄ちゃんやたくさんの生徒の命を奪った最悪のピエロ。



シャルドへの殺意を腹の底に押しこんで、リングを右のひとさし指にはめた。