「フィム!これっ」
震える手でカードを差し出した。
「ありがとう」
フィムはカードを受け取るなり
2本の指で気持ちのいい音を鳴らした。
──パチンッ!
なにが起こったのか。
♥のカードが黄金色の器へと変化した。
中にはなみなみと透明な液体が入っている。
「フィム…それは…」
「聖水。万物に効くんだ。
♥のカードの能力だよ」
フィムは涙にまみれた私の顔をなぐさめるように拭う。
「ショウ、大丈夫。
キミの大切な人を死なせはしない」
聖杯が傾けられる。
見たこともないほど綺麗な水がお兄ちゃんの肌を滑っていく。
次第に蒼白だった顔にほんのりと生気が浮かんできた。



