◇Clown Act◇⇧





すると、永遠の眠りについたと思った王子様が、むくりと上体を起こした。





「お兄ちゃ…っ」



ゾッとした。


血に覆われた相貌が、目が、ありえないほど愉しそうにピエロを見ていたのだ。


ニィ…と真っ赤な歯を剥き出す。



「バカはお前だくそピエロ!!!!わざと毒林檎を選んだんだよ!お前に林檎を確実に食わせるためになぁ!!」



聞いたこともないようなドスのきいた声でお兄ちゃんは叫んだ。


ボタボタと血が流れ続けていてもおかまいなしに嗤う。



「俺の妹を殺そうとした罰だ!!!!林檎は美味かったか?!高い所から堕ちる方が気分が良いもんなぁ?!てぇめみたいな道化風情は俺と一緒に地獄へ行くのがお似合いなんだよ!!!!」



叫び切るとお兄ちゃんは咳き込み大きな血溜まりを作る。


それでもふたたび顔を持ち上げては目を大きく見開いて笑った。



「死ね…くそピエロ…!妹に手を出すやつは誰だろうと殺す。妹は俺のものだ。誰かに殺されるくらいなら、俺が殺してやる…」



苦しそうに呼吸を途切れさせながらその口は言葉を紡ぎ続ける。



「俺の祥は…誰にも渡さない…」