「へぇ、つまりこのゲームで毒林檎を食べなければ俺は死なないし、正真正銘の王子様になれるってことか。ハラハラしていいね、やろう。シャルドくんも楽しんでくれたら嬉しいな」
事も無げにいうお兄ちゃんに、私はもう理解不能でおかしくなりそうだった。
なんでそんなに乗り気なの?!
「やっぱキミの兄貴イカれてんなぁ…。ほら、こういう度胸試しに最適な人選だったじゃないか」
「ちょっと黙って!」
わざわざ私の方に首を伸ばしてはニヤついてくるイースを睨みつける。
本当に腹立つ!
舞台に視線を戻したと同時
シャルドが狂気をはらんだ笑顔をこぼして
「ゲェェェッッ…!」
ボトボトボトッ!と
3つの林檎を吐き出した。
体液と共にどろりと転がる赤い球体。
突然の嘔吐現場におもわず口もとをおさえる。
「大丈夫?気分でも悪いのかい?
換気した方がいいよここ」
お兄ちゃんはあいかわらず1ミリも動じる様子なくシャルドの心配をしていた。



