出た。
この惨状を作り上げた張本人だ、と。
脳がけたたましく警鐘を鳴らす。
おもわずお兄ちゃんの服を握りしめた。
「祥、落ち着いて。絶対死なせない」
お兄ちゃんがいつもと変わらないトーンで言う。
みんなから散々言われているし、私もときどき怖いと感じることのあるお兄ちゃんの態度だけど、今はひどく頼もしかった。
「ど、どどど、どうするんですかっ…。
あのピエロって…この死体の…」
「どうするもこうするも、閉じ込められたんだ。行くしかない。覚悟決めろ」
若松先輩が震える日下部くんの背中を強く叩いて、赤い絨毯の上へと先陣を切った。
「祥、行こうか。
お兄ちゃんがついてるからね」
「う、うん…」
肩を抱かれながら、竦む足を奮わせる。
「なにもせずそこに突っ立てるのもいいけど、おたおたしてたら大好きなピエロちゃんが死んじゃうかもね?」
「イースやめろ!日下部くん、ほら歩こう。
ここまで来たらやるしかないんだ」
日下部くんはガタガタと怯えながらも、フィムに支えてもらい歩きだす。
イースはあいかわらずの調子でしんがりについた。



