◇Clown Act◇⇧



出た。



この惨状を作り上げた張本人だ、と。



脳がけたたましく警鐘を鳴らす。



おもわずお兄ちゃんの服を握りしめた。




「祥、落ち着いて。絶対死なせない」




お兄ちゃんがいつもと変わらないトーンで言う。



みんなから散々言われているし、私もときどき怖いと感じることのあるお兄ちゃんの平静さだけど、今はひどく頼もしかった。




「ど、どどど、どうするんですかっ……。あのピエロって……この死体の……」


「どうするもこうするも、閉じ込められたんだ。行くしかない。覚悟決めろ」




若松先輩が震える日下部くんの背中を強く叩いて、赤い絨毯の上へと先陣を切った。




「祥、行こうか。お兄ちゃんがついてるからね」


「う、うん……」




肩を抱かれながら、竦む足を奮わせる。




「なにもせずそこに突っ立てるのもいいけど、おたおたしてたら大好きなピエロちゃんが死んじゃうかもね?」


「イースやめろ!日下部くん、ほら歩こう。ここまで来たらやるしかないんだ」




日下部くんはガタガタと怯えながらも、フィムに支えてもらい歩きだす。



イースはあいかわらずの調子でしんがりについた。