全員がとっさに振り向く。 鍵穴が、勢いよく回るのを目撃した。 ぞわぞわと嫌な寒気が駆け巡る。 「あいつ…なんだ?」 誰よりも早くその気配を察知した若松先輩が、前方を指さした。 体育館で催されていたイベント用に敷かれた真っ赤な絨毯の道。 取付け式の階段を滑って壇上へ続く そこに、いた。