見渡すかぎりの亡骸の量。
それは今から当たるピエロにかけられるであろう篩(ふるい)の致死率がどれだけ高いのか、嫌というほど物語っていた。
とんでもないところを引き当ててしまったのかもしれない。
「ねぇこれキミたち大丈夫?誰か死んだら、オススメなんかしたフィムのせいだね」
ひとり楽しそうにしているイース。
信じられない。
一方、すべての責任を押しつけられたフィムは、顔が真っ青になっていた。
「やめろ、フィムは悪くない。ただこの場所を選択肢のひとつとして与えただけだ。責任があるならそれを選んだ俺たちだろう」
「ああそう。正義漢ぶりたいなら、この場を乗り越えてからにするんだね」
「正義ではなく事実だ。変にグループの士気を下げるようなことを言うのはやめろ」
「ハイハイ、せいぜい死なないようにねジョーカーくん」
若松先輩の叱責にイースはニヤニヤと笑うだけ。
ああ言えばこう言ってくれる反応が愉快でしかたないのだろう。



