◇Clown Act◇⇧



見渡すかぎりの亡骸の量。


それは今から当たるピエロにかけられるであろう篩(ふるい)の致死率がどれだけ高いのか、嫌というほど物語っていた。


とんでもないところを引き当ててしまったのかもしれない。



「ねぇこれキミたち大丈夫?誰か死んだら、オススメなんかしたフィムのせいだね」



ひとり楽しそうにしているイース。


信じられない。


一方、すべての責任を押しつけられたフィムは、顔が真っ青になっていた。



「やめろ、フィムは悪くない。ただこの場所を選択肢のひとつとして与えただけだ。責任があるならそれを選んだ俺たちだろう」


「ああそう。正義漢ぶりたいなら、この場を乗り越えてからにするんだね」


「正義ではなく事実だ。変にグループの士気を下げるようなことを言うのはやめろ」


「ハイハイ、せいぜい死なないようにねジョーカーくん」



若松先輩の叱責にイースはニヤニヤと笑うだけ。


ああ言えばこう言ってくれる反応が愉快でしかたないのだろう。