◇Clown Act◇⇧



「え、あ、もう行くの?!心の準備とか……そういうのが、まだ……っ」


「じゃあ腹が据わるまでそこにいるんだな」




怯える日下部くんに冷たく言い放ったイースがダルそうに中へと入っていく。



ピエロ側は気楽なものだ。



日下部くんのこと好きとか言っていたくせに。




「ほんっっっとうに嫌なやつ!怖いに決まってるでしょーが!日下部くん、一緒に行こう。きっとどうにかなる!」


「は、橋本さん……うん……」




伸ばした手を日下部くんが握った。




「フィムも、行こう」




碧い目をしっかりと見つめる。




「あぁ」




深くうなずいたフィムは、日下部くんを挟むようにそばへ駆け寄った。



心臓が強く脈打つ。



ここからは自分自身で命運を選び、守らなければならない。



本気のゲームだ。



ついに始まってしまった。



ただならぬ緊迫感にごくりと生唾を飲んで、私は体育館へと入った。