焦げるような痛み。
ようやく乾いた咬み傷の血を溶かして吸われる。
「まずい。最悪の味だ」
なにが最悪よ、ひとのくちびるを傷つけたのはアンタなのに。
身勝手に約束された私の左の薬指に口づけが落とされる。
まるで自身を刻むような少し長い口づけ。
「かわいいね。大嫌いなボクのピエロ」
イースはイタズラに口の端を上げると、先に歩いていってしまった。
夢の世界に引きずり込まれたような感覚が戻らない。
残ったのは言葉にできない感情だった。
ふいに口づけられた左の薬指を見る。
赤いペイントが
リング型に付着していた。



