◇Clown Act◇⇧



ついさっき噛まれて、傷つけられた場所。



焦げるような痛み。



ようやく乾いたのに、ふたたび噛み傷の血を溶かして吸われる。




「まずい。最悪の味だ」




なにが最悪よ、ひとのくちびるを傷つけたのはアンタなのに。



すると、さきほど身勝手に約束された私の左の薬指に、くちづけが落とされる。



まるで自身を刻むような少し長いくちづけ。




「かわいいね。大嫌いなボクのピエロ」




イースはイタズラに口の端を上げると、先に歩いていってしまった。



夢の世界に引きずり込まれたような感覚が戻らない。



残ったのは言葉にできない感情だった。



ふいに薬指を見る。



赤いペイントが
リング型に付着していた。