◇Clown Act◇⇧



「ねぇちょっと」


「あんだよ」




顔をしかめるイースの手を取る。



本来真白かった手袋に、まあるい大きな赤の模様ができているみたいだった。



なるべく傷側に生地が触れないように、剥ぎ取る。




「ちょっと、なんなんだ」


「うるさい」


「キミはそれしか言わないな」




手袋の下から出てきたのはとても白い肌だった。



その上を、絵の具の筆で乱雑に塗ったような血がべったり張りついている。



傷口は思ったよりも広くはなかったが、内側から抉れた皮膚が襞のようになってめくれている。




「これ、痛くないの?」


「なんだい?同情なら買わないよ」


「心を無下にされたら傷つくんでしょ」




私はスカートのポケットからハンカチを取り出した。



それを傷口の上にあてがう。



なんとなく、ハンカチの上からぽんぽんと撫でてみた。



その時イースが小さく息を飲んだのを私は知らない。