「勝手なことをしてごめん。でも日下部くんのことは絶対傷つけさせない。何かあったら責任は全て私が負うから」
傷つくのも、苦しむのも、私だけでいい。
言い切った私に、日下部くんは一度うつむいて、ゆっくりと顔を上げた。
「わ、わかった。橋本さんが決めたことならもう何も言わないよ。こ、怖いけど…僕は橋本さんの味方だから。信じる」
伏せ目がちな瞳が、まっすぐに答えをくれた。
「ありがとう日下部くん!」
「わ、わわっ、橋本さ…っ」
嬉しくて思い切り手を握った。
まごつく日下部くんが頬を染める。
その横で
「男ならもっとシャンとしろよ。
ビクビク怯えて見苦しい…」
イースがボソッと呟いたので、脇腹に肘鉄を食らわせた。
男だろうと女だろうと怖いものは怖いんだよバーカ!
「いてぇ」と呻くイースを睨むと、なぜか彼の手の甲に目がいった。
お兄ちゃんに傷つけられたその場所。
手袋に滲む血が、前よりも広がっている。



