◇Clown Act◇⇧




「勝手なことをしてごめん。でも日下部くんのことは絶対傷つけさせない。何かあったら責任は全て私が負うから」




傷つくのも、苦しむのも、私だけでいい。



言い切った私に、日下部くんは一度うつむいて、ゆっくりと顔を上げた。




「わ、わかった。橋本さんが決めたことならもう何も言わない。こ、怖いけど……僕は橋本さんの味方だから。信じる」




伏せ目がちな瞳が、まっすぐに答えをくれた。




「ありがとう日下部くん!」


「わ、わわっ、橋本さ……っ」




嬉しくて思いきり手を握った。



まごつく日下部くんが頬を染める。



その横で



「男ならもっとシャンとしろよ。ビクビク怯えて見苦しい……」



イースがボソッと呟いたので、脇腹に肘鉄を食らわせた。



男だろうと女だろうと怖いものは怖いんだよバーカ!



「いてぇ」と呻くイースを睨むと、なぜか彼の手の甲に目がいった。



お兄ちゃんに傷つけられたその場所。



手袋に滲む血が、前よりも広がっている。