若松先輩も日下部くんも同じなのか、どちらも絶賛いじけ中の王子に目を向けていた。
「おいすげぇな橋本。
やっぱお前の脳みそはアッチ側だったぞ」
「うるさい。こんな気持ちの悪いピエロたちと一緒にしないでくれ」
「お前も大概気持ち悪いから気にするな。
今後もそのイカレ思考で頼むぞ」
煽り全開でお兄ちゃんの肩を叩く若松先輩。
「ふたりは仲が良いんだな」とフィムは微笑ましそうだが、ちょっと違う気がする。
「よし、ならさっそく体育館へ行こう。
もたもたしていられない」
若松先輩が先陣を切って歩き出す。
私はそれに「待ってください」と声を上げた。
いや、声が出ていた。



