「なぁピエロちゃん、どうしてあいつを助けたんだ?心配したんだ?」
「はぁ?」
あいつとは、パープルのピエロのことだろう。
けど、あまりに今の流れに関係無さすぎて、気の抜けた声が出てしまった。
「キミは唯一、心を傾けていたけど。どうして?」
「どうしてって…そんなの…」
「キミのトモダチを無惨に殺したピエロたちの一端なんだよ?なのに傷の心配までしていたな?バカだ。バカ極まりない」
「うるさい!」
「キミがした行為は犠牲になった生徒たちへの裏切りに等しい。あぁバカだ。無駄な慈悲を振り撒く大バカピエロちゃん」
まるで絵本でも読み聞かせるようなトーンで左右の耳を行ったり来たりする。
無意識に呼吸が荒くなっていた。
「うん。やっぱりボク、キミのことが1番嫌いだ。こんなに嫌いなやつも珍しいくらいだよ」
「…それはこっちのセリフ」
「気が合うね。すごく不愉快で愉快だ。
キミめちゃくちゃかわいいよ」
とんがり帽子を撫でられる。
「触らないで」
「仕方ないじゃないか、触れたいんだもの。他の人間なんて勝手に死ねばいいと思うのに。キミは別だね。この手でぐちゃぐちゃにしてやりたい。殺してもいい?」
「やめて…っ」
「かわいいなぁキミ。かわいい」
両頬を包まれ、唇を噛まれる。
尖った痛みが走り、弾くようにピエロの胸を突き放した。



