「なんだよ?そんなに見惚れられても困る」
ニンマリと歯を見せられ、嫌悪感がさらに増した。
気持ちが顔に出ていたのか、面白いおもちゃでも見つけたようにオレンジのピエロはこちらへやってくる。
見兼ねたお兄ちゃんが
「妹に近づくな!」と吼えるも、当たり前のようにスルー。
長い体を折ってのぞきこまれる。
「そういや…
キミがいちばんバカだったなぁ?」
吐かれたのは最悪の一言。
これだから橋本兄妹は…と若松先輩に叱られるかもしれないけど、それでも込み上げてきたものは抑えられなかった。
「さっきからなんなのアンタ!殺すだのバカだの、いくら権限がそっちにあるからって、何でも言っていいわけじゃないでしょ!」
「なんだいずいぶん血の気が多いじゃないか。黙ってることしかできない愚図ピエロちゃんかと思ったのに」
「だから!そういうとこだって言ってるの!!!」
おかまいなく距離を詰めて睨みつける。
そんな私を見下ろすオレンジのピエロは、また別種類のいやな笑みを唇に乗せた。



